子供心ながら


皆様こんばんは!

 


先日から銭湯活動も再開してますので、銭湯話は近日中に更新します!


お楽しみに!

 


今日は昔に飼っていた犬の話です。

 


かれこれ10年近く前の話。

 


1匹の犬を飼っていた。

 


名前は(くう)で犬種はチワワ

なぜ空なのかは分からないし、漢字で『空』の意味もいまだに知らない。

 

スムースコートの白で耳と尻尾の付け根だけ茶色の毛色だった。

 


わかりやすくいうと映画マスクに出てくるジャックらセルテリアのマイロと同じ色味だ。

 

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元々ペットショップで購入したのではなく、近所に住んでいる保健所の方に譲ってもらった犬。

 


うちの父親はかなりの綺麗好きで神経質なので犬を飼うなんて持っての他だった。

 


僕は犬なんて飼えると思ってもいなかったので、『欲しい』とまでいかなかったが、

姉が犬を飼いたすぎて毎晩のように父に犬を飼うためのプレゼンテーションを行なっていた。

 
もちろん子分のように僕も参加させられていた。

 

そしてもちろん毎回却下されていた。

 

思い出せるところだと犬の散歩をしている絵を描いて、『世話は絶対にする』

と姉は熱弁していた。

 


なぜか犬種はダックスフンドだった。

 


僕は隣でそのプレゼンテーションを聞きながら賛同していたが、無理なことは分かっていたので期待はしていなかった。

 


そんなある日。

 


近所の方が保護された犬の飼い主を探しているという情報が入り、母が飼えないので見に行くだけ僕と姉を連れて行ってくれた。

 


何匹かいる中で一際『飼ってくれ』と言わんばかりの眼差しで見てくる犬がいた。

 


それが空だ。

 


その頃まさにアイフルのCMでチワワのくぅちゃんがブームになっていた時で、チワワの人気と相場はかなり高かった。

 


保護犬の中でもチワワはタレント性を発揮しており、その日のうちに母も虜になり連れて帰った。

 


もちろん父は呆れながらも、保護犬だったので『もう仕方ない』と言うことでなくなく飼うことを許した。

 


そこから空が本格的に我が家に加入した。

 


初めに動物病院に連れて行った時に大体の年齢を聞いたところ、10歳ぐらいの老犬だと言われた。

 


心臓にも病気があると言われていた。

 


歯並びも超絶悪くて、常に舌が少し出ていた。

 


空は老犬ということもあり、お座りもお手ももちろんできなかった。

 


我々は恐らくアイフルのブームで買ったセレブが世話しきれずに逃したのだと推測した。

 


お座りはなんとか覚えてくれたが、お手は生涯できなかった。

正直あんなもん人間のエゴでできたものだからどうでもよかった。

 


そこからはもちろん散歩にも行ったし、世話は僕と姉でこなした。

 


空は片手で持てるぐらい小さい体なのに、散歩に行くと自分より10倍ぐらいでかいドーベルマンにも喧嘩を売るぐらい喧嘩っ早い奴だった。

 


寝ている野良猫に喧嘩をふっかけて、鼻を引っ掻かれたこともあった。

 


とにかく体は小さいのに闘士の漲るチワワだ。

 


例えるなら大晦日に魔裟斗と対戦した山本KIDぐらい闘士に溢れていて、あの体格差で、魔裟斗に煽りVでパンチが当たらないと言われながら、ダウンを取った山本KID選手みたく、デカい相手でも闘士溢れる姿勢だった。

 


この例え分かりますか?

 


もちろん何度しつけをしても覚えてくれることは少なく、散歩に行く時もダッシュで家から飛び出すので、リードをつけていないと一生帰ってこないような奴。

 


僕には兄もいて、兄はよく空をいじめていた。

 


クウの頭に靴下を被せて高いテーブルの上に乗せて楽しんだり、エアーガンで撃ったりしていた。

 


子供心ながらにこういう奴が大人になって動物虐待するんだろうなと思っていた。

(結果的にそんな奴にはならなかったので良し)

 


ある日、兄だけが家にいる時に戸締りをしっかりしていなかったせいで空が脱走した事件があった。

 


僕と姉と母は買い物に行っていたので、帰宅して居ないことに気付いたが、おおよそ脱走から4.5時間経っていた

 


もちろん外を存分に楽しんで自分で帰ってくるような奴ではないということを全員が理解している。

 


終わった。

 


こんな別れはあるのかと思った。

 


僕と姉は血眼になって探し回ったが、どこを探してもいない。

 


かれこれ2時間ぐらい捜索したが、見つからない。

 


言葉はなかったが、姉と僕はお互い何かを悟っていた。

 


肩を落としながら姉と家に戻る。

 


向かいの家の人が玄関先で楽しそうに世間話していた。

 


『なんてうざい笑顔なんだ。』

 

『こっちはこんな状況なのによ。』

 

なんて全くの他人に当たっていた。

 


しかも1人は鞄の中に犬を入れてやがった。

犬も大人しくトートバックに入って、こちらを見てやがった。

小型犬をまるでアクセサリーかのように鞄に入れて、世間話してやがる。

 


『犬は歩かせ!』

と声になりそうになったが、犬を見るだけで寂しい気持ちになった。

 


『あぁこんな別れ方はあるのか。』

 

『結局は帰ってこないんだな。』

 

『あんだけ遊んでやったのに。』

 

『殺生な奴だな。』

 


『てか鞄の中に入ってる犬、よく見ると空に似てるな。』

 

『こんな時まで、似たような犬見せられるこっちの気持ちにもなりやがれ。』

 

 

それにしても良く似てるな。

横目で見ながら家に入ろうとした時。

 


頭の中で何かがピタッと合った。

 


『え?』

 

振り返ってもう一度じっくりと見た。

 


色と言い、耳の形と言い良く似ている。

 


近寄っていき再度確認して確信を得た。

 


空だ。

 


そのおばさんに話しかけたところ。

 


横断歩道を渡ろうとしていたからとっさに捕まえて、買い物行く途中だったからマイバックに入れて保護したと言っていた。

 


『どこの犬か知ってる?』

 


『はい、私たちの犬です。ご迷惑おかけしました。』

 


まさかの脱走した犬が、近所で保護されて、しかも向かいの家の人の友達で、たまたま相談しに向かいの家の人に会っていた。

 


そして他人のトートバックに入って飼い主を見てやがった。

 


どんな犬やねん!

 


一先ず安堵と共にあの瞬間を思い出すだけで笑けてしまう瞬間だった。

 


飼い犬が他人のトートバックに入って、こちらをただ見ている。

 


そんな状況ありますか?

 


それからも色んな事件があったが、老犬と言われていたクウも10年以上生きるという大往生した。

 


思い返してみたが、しつけが出来なかったのはただただ我々が老犬と思い込み、しつけを諦めていただけ。

 


我々家族の中で導き出した結論は

 

飼い始めは老犬ではなく子犬だったということ。

 

そしてあの時の動物病院の先生が言っていた、老犬は絶対嘘だったということ。

 


Rest In Pardise!!

 


そんな今日の一曲はこちら。

 

youtu.be

 

ちなみに歳を重ねるごとに猫派になってきてます。笑

 


 

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